鍼灸院の開業は簡単だ!

開業について

自分で鍼灸院を始めるのって怖いよね~。

まぁたしかに。
でも他の業界からすると至極簡単らしいよ。

そうなの?

始めるだけならベッドと鍼とお灸とタオルがあればいいじゃない!?

そうだね。
院を構えず往診とかでもいいしね。

そう。
だから鍼灸院開業なんて簡単なのよ!

う~ん。
でもなぁ…。

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開業するのは簡単

(開店準備を終えた今、)2000万円近い資金をかけたレストランを潰そう(店じまい)としたら、原状復帰させるために800万円はかかる。
レストランの場合は、空調、水回り、ガス、電気とライフラインの全てを引き込んでいるからだ。
さらにそれまでの家賃を加えると、今の時点でも3000万円近い借金だけが残る。
おまけに返済したくても、仕事もない。

…ある本の一節です。

レストラン(飲食店)を開業するのは本当に大変ですね。
お店を開きたいと思う夢を語っているうちはいいですが、いざ実際に行動に移した時、かなり大きなマイナス状態からのスタートになります。
その心理的なプレッシャーは相当かと思います。
もちろん、上手くいくはず!と考えて行動に移すのですが、開店した飲食店が潰れるのなんてよくある話です。
厳しいなぁと思います。

鍼灸院の開業費用

開業資金について「いくらかかるの?」は気になるところでしょう。

ネットで調べれば大まかな相場は出てきます。
『テナントを借りて最初からお店を作るとなると大体300万円から500万円程度は必要』
『物件取得費・設備費・広告宣伝費で1000万程度かかる』
『自分は250万で済んだ』
…などなど。

「1000万とかありえなくない!?」と貧乏開業であった自分は思うのですが、それは私個人の状況からは「無理!」と思うだけで、状況設定によっては必要経費かも知れません。
かように、一般論は無意味です。
金額はいくらでも変わってきます。

まぁ、一般論で500万円あれば少な過ぎということはないでしょう。
主観ですが、200万円はカツカツ・500万円でよくあるケース・1000万円かけたらかなり潤沢、だと思います

基本的にはハコとベッドと鍼灸道具があれば始められますし、テナントの内装もあまりいじらなくてよいでしょうし、始めるハードルも閉めるハードルも高くないです。

これはすごいメリットです。
「鍼灸師で良かったぁ!」と心から思うメリットですね(^^;)
この恩恵を忘れないようにしたいです(笑)

簡単な事のデメリット

ただ逆に、安易な開業になる原因でもあります。
「始めてみたものの上手くいかない…」となりやすい。

これは「経営」を学ばなくても始められるからです。
この場合の経営は「マーケティング」の方ではなく「経理」的な意味です。

おカネを生む仕組みを知り、どう流れて行くのかを知り、どう戻ってくるのかを知る。

その知識は知っているだけではいけなくて、自分の院で実際に動かす必要があります。

少なくとも以下のことは確認しておきたいですね。

●何のために院を始めるのか。
●どうなりたいのか。
●そのためにはどういう仕組みが要るのか。
●それらが具体的かどうか。

もちろん、最終的にはやってみなきゃわかりません、それはその通りです。
でも、うまくいく確率を高めるために出来ることがあります。
鍼灸・整体業界ではなく、飲食などのスタートのハードルの高い業界を参考にしてみるとよいでしょう。

開業前のヒント

同業者(知り合いなど)に相談もありです
ただし、うまくいっている人に限ります

うまくいっている人(“うまく”とは自分の目指す方向性に沿ってうまくいっているの意)に自分のプランを話してアドバイスをもらいましょう。そしてそれを生かしましょう。
さらにその人の開業における着眼点や大事にしているポイントを聞きましょう。
ヒマそうにしている同業者のアドバイスは参考になりません。
反面教師的に開業エピソードを聞いてみて、同じようなことはしない、というのもありかもしれません。

開業時に一番大事なこと

やはり最重要事項は「目標」(と「行動力」)

あなたが開業を考え、それをどう進めていくか誰かに相談したい時。
あなたの状況(年齢・性別・住所・自己資金・将来設計・院のコンセプト・院のターゲット…など)を聞かないと、具体的な開業準備に関してアドバイスはできないでしょう。
なぜなら、選択肢がものすごく多岐にわたっているから。

アドバイスを得て、自分事に落とし込んでいくには、自分の状況を隠さず出して聞くのが近道です。

その時、決まっていないといけない重要事項が「将来の院の目標」(+「自分の将来の目標」)。
こういう院にしたい、こういう運営をしたい、このくらい売り上げたい、など。
それが明確であればあるだけ、自発的にも指針が出やすいし、他人もアドバイスしやすいです。

鍼灸院の開業モデル

【仮定の鍼灸院モデル】
・首都圏の中小都市
・貸店舗スタイル
・ひとり治療院
・鍼灸専門
・売上的には細々でもいい

…という状況設定で話します。
細々と低空飛行でつぶれずに生活し続けられる治療院経営、ってことですね(笑)

開業時のおカネの使い方の基本原則は「(今後の)売上に関係しそうなものには注力し、売上に関係しなさそうな支出はセーブする」です。

開業全般だと広い話になってしまうので、今回は『物件』『内外装』『備品』『生活費について』の4つに分けて考えてみます。

物件に関すること

立地が良いに越したことはないですが、家賃は安くがモットー。
そのバランスで決めなければいけません。

●行きやすい場所
ひとり鍼灸院であれば、不特定多数の人に目立つ必要はないかもしれません。
基本的にはフラッと来る人はターゲットにならないから。
ホームページなどをみて予約をしてくる人が、来やすい場所であることが重要です。

●通いやすい場所
ひとり鍼灸院では初回以降のリピートが重要ですので、「通いやすい立地」は大事です。
駅がちかい。道のりが簡単。駐車場が広く入りやすい。

●広すぎない
坪数があると家賃が高くなるからだけでなく、無駄な空間は寒々しい気配を生みます。
大広間でひと家族だけで食事をとるホテル…、寒くないでしょうか?!
ベッド1台・2台程度のひとり鍼灸院なら7坪(~10坪)もあれば十分でしょう。

内外装にかかる費用

内外装は、基本それ自体がおカネを生む(売上につながる)ことはありません。
ですので、セーブしていく方向で良いと考えます。

ただし、看板などの認知させる外装に関しては、売上を生む仕組みのパーツにもなります。
ここは単なる装飾としての内外装とは別に、宣伝広告費の意味も含めて考えたいです。
鍼灸院に関心のない(薄い)人に「知ってもらう」効果。
鍼灸院に来ようと思った人に「分かりやすい・来やすい・迷わない」効果。
…大事です。
お金をかける価値はあります。

ただし、大きい、電飾、LED看板。→高価です。
狙った効果を他の方法で出すことを考えたいです。
夜遅くまで営業しないなら電飾看板は要らないけど、昼間の視認を高めるため「のぼり」を増やして目立つようにする、とか。
「認知してもらう」が果たせればそれでいいわけですから…。

内装では、壁紙や電気・エアコン・トイレ・水回りは、居抜き的に前のものが使えるといいですね。
エアコンやトイレ、水回りなどは結構お金がかかりますから・・・。
よくトイレが新しくてキレイ、をうたっている鍼灸院さんもあります。
たしかにアピールとしては良いでしょうし、実際にきれいなトイレは気持ち良い。
でも、(あまりに汚いのはいただけませんが)完全予約制の鍼灸院なら、トイレはあまり多くの人は使いません。
不快にさせない最低限でも大丈夫な気がします。
なんなら売上がたってきてから新調すればいいのです。

備品にかかる費用

物に費用をかければかけただけ良いカタチ(見栄え)ができるのは当たり前ですが、やはりここも支出をセーブがモットー。
レイアウトなどの抜本的な見直しはともかく、備品などは売上が上がって資金が出来たらそろえていけばいいじゃないですか。

ここもコンセプトによるとは思いますが、鍼灸院では物理的な居心地(アメニティ的な意味での居心地)より精神的な居心地の良さが大事です。
院長の人柄・施術・時間の流れなど、カタチにはならないものが大事ってこと。
ですので、物理的なカタチである品物は、最小限で安く済ませたい。
どちらかというと「安いものを買いそろえるより、買うも品物数を絞りぬく」方が良い気がします。

生活費

開業とは関係ないようですが「継続性」はここにあります。
売上が思うように上がらなかったら、どこまで鍼灸院を継続できるかは手持ちの残高次第。
そういう意味で、手持ちに余裕があればあるだけサバイブできます。
具体的には3ヶ月分・6ヶ月分・12か月分?
あればあるだけ…って言いたいですが、最低3ヶ月ですね。
月20万円あれば暮らせる、なら60万円は手つかずで開業日を迎えたいものです。

まとめ

始めるのは簡単とはいえ、支出を減らして・資金に余裕がある状態でスタートする形が一番生き残りの可能性は高いでしょう。
ただ「とりあえず始めました~」というお気楽では、おカネなんてあっという間に減っていきます。
ギリギリの状態で始める方が、切羽詰まっていて半端ない行動量を起こすことで、結果スタートダッシュが決まるなんてこともあるかも。
どういう形が最適かは一概には言えませんね。

結局は、精神的な「やる気」と理性的な「見通し」と、さらに実際の「行動」。
この3つが重要。

とくに「行動」ですよね。
動いた分だけ変化するのですから、大量行動したいものです。

ちなみに、動くのは「自分で決めた目標に向かって」です。
もしくは「売上のため」の行動(売上がないとつぶれちゃいますからね…)です。

方向性を間違えないように。
無駄な動きは疲れるだけです(笑)

治療院業界という、簡単に始められ失敗時にも(経済的な)傷が浅く済む業界にいられるメリットを享受しながら、それでもうまくいきたいでよね。
頑張りましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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鍼灸院経営とひとり親生活のハナシ

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