鍼灸院開業体験談1【開業へ】

開業について
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当時のぼくの話

これから自分の開業について振り返ってみます。

最初に、私が開業したのは2001年秋のことです。
(※もう結構昔ですねぇ・・・)

【2001年はこのような年】
・小泉内閣発足。
・「ドメスティック・バイオレンス」や「ブロードバンド」が流行語。
・「Can You Keep A Secret?」(宇多田ヒカル)がヒット。
・ドラマ「ビューティフルライフ」がヒット。
・アメリカ同時多発テロ(9・11)発生。

なんとなく思い出していただけましたでしょうか?

そのころ「テレビなし・新聞なし」が我が家のモットーでしたので、政治・スポーツ・芸能・国際問題・・・あまり記憶にないのですが(苦笑)

当時私は28歳でした。
1年前に結婚して、楽しく奥さんと二人暮らしをしていました。

鍼灸の修行先を「開業したいから辞めます!」と啖呵を切って辞め(もちろん円満退職)、とある地方都市に移り住んだのが同年の初夏ころでした。

地元でもなんでもないとある県のとある街に、無職の二人がやってきたわけです。
(※こう考えるとよくアパートが借りられたものですね。)

仕事の持つ意味

最初に告白しておくと、当時の私は経営の「け」の字ほどの知識・考えも持っていませんでした。
持っていたのは修行先の鍼灸院での知見・経験のみ。

仕事については、自分の定義というか考えがありました。
「仕事とは、収入源であり・やりがいであり・生活と一体不可分のものである」です。

たしかに間違っていませんよね。

仕事人間なんて異常なことだ。
やはり人間らしい暮らしとは、仕事だけプライベートだけではなくその融合(バランス)である。
また仕事そのものも虚業や空しい内容ではなく、しっかり実のある誇れる仕事内容がいい。
最終的にそれが収入になり、生活が営めるのが最高だ。

定義としてはまあまあイイ線いってます。
ただしその優先順位が、仕事人としては大きく間違っていたんですよね。

【当時の優先順位】
1)生活の一部である
2)やりがいである
3)収入源である

これじつは仕事人としては順位が逆なんですよ(涙)

そもそも、なんでその街に落ち着いたかといえば、田舎暮らしがしたかったから。
私は田舎暮らしがしたい人でした。
「どこか良い田舎はないものか?」と検討する中、いきなり「村」的なところに行くほど勇気がなかった(もしくはさすがにそこでは食べていけないだろうという目算はあった)ので、ワンクッション置く意味でも「地方都市」がベターと考えたわけです。

住む場所から何から、万事そんな感じで決めていったわけです、はい。

恥ずかしながら「開業メモ」

当時の雑記ノートにはこうあります。
まだこの段階では、店舗も道具も何もメドはありません。
とりあえず書いてみた、という感じですが、本人は結構本気で書いていました。

2001年7月18日
『開業のための計画書』

【目的】
・自分の治療院を持って仕事がしたい
・生活をするお金を自分で稼ぎたい
・第一歩を踏み出したい

【院のコンセプト】

・治療ベースの鍼灸院
・明るく風通しのよいさっぱりした空気の鍼灸院
・中高年から高齢者を対象に

【予算】

合計200万円
(内訳)
店舗賃貸40万円
内装65万円
看板20万円
備品購入45万円
運転資金30万円
広告宣伝0円

【患者数の見通し】

・1~2ヵ月後:平均3人/日
・3~6ヵ月後:平均6人/日
・6ヶ月以降:平均10人/日を目標(必要な部分を抜粋)

唖然。ただただ唖然。
自分のノートだけになお唖然。
「20代の俺よ、、、」。

ここから学べること

突っ込みどころが満載ではあるのですが、とりあえず書いてみます。

患者さんは勝手にやってくる?

まず一番最初に言いたいのは、「どうやって患者さんに来てもらうのか?」のメド・方法がまったくないこと。

こいつ(自分ですが)は完璧に「開院すれば患者さんは勝手にやって来る」と思っています。
広告予算がゼロ円なのも、なめていますね。
はっきり言って、そんなことはない!
完璧に、ない。

開業場所が地元で、自身が長らく地元で過ごしてきて、友人知人(とくに生きた交友関係)が充実していて、本人にも魅力があって、店を開けばバンバン仲間がやってくる・紹介客がやってくる見通しがあるなら、いいでしょう。

一方自分は、地縁なし・カネなし・人脈なし。
性格もいたって平凡。

患者さん、来るわけがない。

風通しのよい鍼灸院・・・って

明るく風通しのよい治療院で、50歳から80歳くらいの人が、本格的な鍼灸施術を受ける場所

コンセプトが甘々です。
「風通し」に関してはもうね、「そりゃポエムか」っつー感じです。
コンセプトが浅い。思慮が足りない。

何が足りないかといえば、「お客さん目線」が足りないのです。

そのコンセプトを投げかけた時に、グサッと刺さる人がいるか!?です。
「風通しのよい院ですが、来ませんか?」と言われて、あなた行きます?
まぁ、いないわな。
そういうことです。

また、中高年から高齢世代って、これも広すぎでしょ。
もっとギリギリギリッと絞り込んで、「あなたに向かってしゃべっていますよ」を感じてもらえるコンセプトじゃないとね。

これらはみな「患者さん目線」の不足です。
患者さん(=お客さん)が、私の院を知りやすく・選びやすく・満足してもらいやすくするためにできることをしなきゃいかんのです。

たとえば、「40代で子宝を希望する女性の方に、卵巣年齢を高める鍼灸を提供する」とか。
このコンセプトなら、子宝を希望する婦人科系に不安を感じている女性には、ビビビッ!ときますよね。
これがコンセプトです。

見通しが限りなく甘い

【見通し】
・1~2ヵ月後:平均3人来院/日
・3~6ヵ月後:平均6人来院/日
・6ヶ月以降:平均10人/日を目標とする

もうね、これは夢です。
デイドリームビリーバーです。

もちろん、スタートダッシュでこの数字を実現することはできますよ、きっと。
ただね、このペースを作るには、かなり要りますよ。
仕組みと努力が。
当時の私の実力(経営的な能力や資金力)では無理でしたね。

まとめ

とにかく開業するぜ!!
俺ならイケルはずだぜ!

このような単純な思いで開業するのは危険です(笑)
正攻法としては、やはりしっかりした開業計画(場所選び・コンセプト・見通しなど)を持ってほしいです。
そのほうが安全だし、うまくいく確率が増えますからね。

私は、まさにこの危険な方のルートをたどりました(苦笑)

でも、こういう単純な能天気さや根拠のない自信は、実はものすごく大事です。
新しいことにチャレンジする上では、欠かせない資質だと考えます。

まぁ、根拠なくはじめちゃうんだから、当然その後に苦労しますよ。
でもそれでも、そこから軌道修正していけますから、大丈夫。
鍼灸院のようなスモールビジネスはそういうところが良いところです。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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鍼灸院経営とひとり親生活のハナシ

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