鍼灸院開業体験談4【売上実録】

開業について

開業体験記、その4です。

鍼灸院開業体験談1【開業へ】
私が鍼灸院を開業した実録物語。 開業に必要な手続きなどのハウトゥではなく、リアルな体験談。 まずは開業前の模様や脳内ストーリーからスタートです。
鍼灸院開業体験談2【物件選び】
鍼灸院が流行らないと「場所選びを間違えたのではないか!?」「あの院が繁盛しているのは場所が良いからではないか!?」という思いが頭をよぎります。 きっとよぎります(笑) 自分の物件選びと立地についての考えを書きました。
鍼灸院開業体験談3【開業費用】
鍼灸院開業の話その3。 開業はもっとも費用がかかる時。本当に極力無駄を省きたいものです。 実際に何にいくらかかったのかの内訳を書きます。 一日でも早く安定経営の軌道に乗るにはどうしたら良いのか、そんな話。
スポンサーリンク

開業後の実際の売上

開業する前の期間は、選んだり購入したり届け出たり、と行動することが多い。
もうやたら動いている印象です。

開業後の方がずっと大事だとは分かっていても、どうにも目先の「鍼灸院を始めること」がゴールになってしまいやすいです。
(※結婚式に似ていなくもないですね。)

さて、私もそんなこんなで開業しました。

よし、今日から開院だ。
あとは待っていれば患者さんがジワジワとやってるだろう。
そのうち、少しずつリピート患者さんが増えてくるはずだ。
最終的には、時間とともにウハウハだぜ!

でもねぇ、なかなかそうは上手くイカンのですよ(涙)
その悲しい現実をここに明らかにしておきますね。
ご参考になさってくださいませ。

開業後6ヶ月間の売上

1ヶ月目  1万円
2ヶ月目  9万円
3ヶ月目 24万円
4ヶ月目 23万円
5ヶ月目 19万円
6ヶ月目 24万円

うおっ!?
何だこの数字は。
いま振り返っても暗黒の数字ですね。
怖い、怖い~。

しかも、その後にそれが右肩上がりになるわけでもなく、少しは上がったものの低空飛行のまま。

年商の推移

2年目の年商 350万円
3年目の年商 350万円
4年目の年商 400万円

ざっとですが、こんな感じです。
月換算では30万から35万円です。

その後は、だいたい年商500~600万円(月商40~50万円)くらいでした。

売上の分析

今回これを書くにあたって初期の数字を振り返り、「よく廃業しなかったな」と我ながら思います。
年齢が若かったこともあるし、妻も働いていたし、子供も最初はいなかった(産まれても小さかった)ので出来たんですね。
まぁ、このくらいでもなんとか生活できる証明にはなっていますかね(苦笑)

ただ、この低い売上をさらすだけでは発展性がないので、少し分析します。

来院人数は?

最初の2~3年くらいは、1日平均3~4人の来院。
その後、低空安定していく頃には、1日平均4~5人の来院があったと思われます。
(※「思われる」と書くのは詳しいデータがないので…)

施術時間は「1時間1人の枠」だったので、この来院の数字自体は「ヒマながらボチボチ来院していた」レベルかと思います。劇的に悪いわけではないでしょう。
ただし、それが売上とうまく連動していなかったんですよね。
ようは施術時間と施術費の問題。

来院人数が増えなかったワケ

今でも正確な答えが分かるわけではありませんが、最大の理由は「経営を知らなかった」ことです。
達人的な腕前でもない普通の鍼灸師が「看板を掲げるだけで患者さんが押し寄せる」などはないのです
これにつきます。

売上が低いことのデメリット

書いてみれば当たり前のことになるでしょうが書いてみます。

●一番は「閉院の不安が常につきまとう」こと
「来月には廃業か!?」というような危機には見舞われませんでしたが、「このままでは半年持たないかも!?」という不安は常にありました。
結果的に何とかなってきましたが、あくまで結果的に大丈夫だった、というだけで、何ら意図的に大丈夫だったわけではありませんでしたので不安はなくならないわけです。

●経営的な先手を打てない。
何かアクションを起こそうと思っても、先立つものがないので動けない。
アクションの数や規模の制限が大きいです。
何か新しい事をしなければ現状を打開できないと考えたとしても、その何かをする元手がないので、結局「今まで通り」という選択肢に落ち着いてしまいやすかったです。

●将来の見通しがたたない。
主に経済的な面で、プライベートでも将来的な見通しが立てづらいです。
30代の自分が、40代・50代になっていった時にどういう暮らしができるのだろうか?のメドが見えづらいのです。
もちろん、現在収入がしっかりあったとしても将来はどうなるかなんてわかりませんから、これはようするに「先を思う不安」ということです。
収入が少ない自分が「将来を描けないので不安」なのです。

何が足りなかったのか?

売上が低い
→ それは来院する人数が少ないから
→ 売上を上げるために、多くの人に来てもらう必要がある
→ そのために、自分の院を知ってもらって選んでもらう必要がある
→ そのために、アクションが必要
→ 具体的にどうアピールするか?
→ そもそも何が自院のアピールポイントか?
→ さらにそもそも、自分自身の一番の土台になるのは何だろうか?

これを「経営」と言いますね。
それが足りていなかったわけです。

経営力不足の中でも「まずコンセプトが甘かった」ことが挙げられます。

●治療か慰安かで迷走。
最初期は「治療か慰安か」のラインからすでにボヤケていた気がします。
治療ベースを志しつつも、慰安的な雰囲気も匂わせてみたり、とどっちつかずな院になっていました。

●当たり前のコンセプトしか打ち出せなかった。
「鍼灸は肩こり腰痛が得意です」的な当たり前の打ち出しでは差別化がはかれません。

●自院の魅力が伝えられていなかった。
●患者さん目線がなかった。
患者さんに「知ってもらって選んでもらって」初めて来院いただけます。
知ってもらえるような試み、選んでもらえるような試み、両方とも不足していました。
また、その核になるのは「患者さん目線」です。
患者さんからみて~の視点で見ていなかったと考えます。
何かアクションを起こしても、それは鍼灸師目線からばかりでした。

●治療費の設定の甘さ
治療費が必要以上に低かったと思います。
他院をみても「提供している施術の質」と「価格」が一致していない院が少なからずあります。
高すぎな院も低すぎな院もあります。

少なくとも、当時の私の施術料金は安かったです。
施術だけでなく提供しているすべてを総合的に判断して、もっと価格を上げてもよかったと思います。

それは不当に患者さんに出費を強いることではありません。
「この価格でこの施術を提供します」としっかりうたうこと。
それに納得いただいて来院いただくこと。
そして価値を感じてもらい、繰り返し通っていただけることが適えば、それが適正価格なのだと考えます。
…と、こういう「考え方」自体がその当時の私には存在しなかったです。

まぁ色々とダメ出しできる点はいろいろありますね。

ただし最後に、最大にして究極の理由は「やる気」「危機感を感じていなかった」ことを挙げておきます。

まとめ

「もっと売上が欲しい!」と言いながら(これは決して偽りではないのですが)、本気の本気でそれを望んでいたか?と問われると「売上が低いままの生活に安住すること」を選んでいたのだと思います。
行動レベルでは、ってことです。

世に「マインドセット」などと言われますが、これはホントに重要!
ただし私のイメージは「パッション(熱情)」

コントロール可能なテクニカルな「やる気」ではなく、腹から湧き上がるような「感情の渦」です。
ずーっと経営的に厳しい(=パッとしない)状況が続いていて、ある時、「恐怖」「絶望」「焦燥」などのマイナスの感情が湧き出ました

このままじゃヤバい!
ずっとこのままでいいのか!?
恥ずかしくないのか!?
変わんなきゃダメだろ!!

…みたいな感情がグワッと出てきた時に、私自身は本当の「やる気」スイッチが入りました
それが転機になっていろいろなアクションを起こしていくうちに、今は年商1000万円にはなれました。

これらの経験から。
「鍼灸院は時間をかけてゆっくりだ。最初はガマンだ。」…なんてことはありません。
売上が上がる理由が整えば一気呵成ですし、上がらない時は何年たってもピクリとも上がりません。
だから今までずっと売上が低いからと言ってブレークできないなんてことはありません。

またちなみに、上がったそれをキープし続けられるかはまた別問題です(苦笑)
(※私は今ここ。)

だから、いま悩んでいる人も大丈夫と言えます!
いま有頂天の人は明日はどうなるか分かりませんよ、と言いたいです。

そして、私もそんな長い道の途上にいます。
皆さんと一緒です。
一緒に学んでいきたいです。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

めしたけをフォローする
開業についておカネの話
スポンサーリンク
めしたけをフォローする
鍼灸院経営とひとり親生活のハナシ

コメント