シングルマザーで鍼灸師を目指す人へ

鍼灸師を目指す人
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シングルマザーが鍼灸師を目指すのはありか?

~結論~
・強い目標があれば「あり」。
・鍼灸師との親和性がよければ「あり」。
・なんとなくなりたいだったら「なし」。
・費用や時間が確保できなければ「なし」。

私も「ひとり親(父子家庭の父の方)」です。
ですのでシングルの人には頑張ってほしいわけです。
しかも同業を志す人には、なおうまくいってほしいと思います。
ただし、それなりにハードルもあります。
シングルでこれから鍼灸師を、と思うなら一歩を踏み出す前に考えてみるべきポイントを書いてみます。

毎度ですが、こういう是非はその人のリソース(子供の人数や年齢・親や元配偶者のバックアップの有無・必要な生活費の額・貯金額など)により千差万別でしょうから、書ける話はわりと一般化しますが、ご容赦あれ。

ちなみに、私の鍼灸学校の同級生にもシングルマザーの方たちがいました。
皆さん、今でも鍼灸(もしくは治療院業界)で食べていけていますので、十分やれないことはありませんよ!

鍼灸師になるのを考え直した方がよい点

まずはデメリットから考えてみます。

時間と学費がかかる

鍼灸学校は3年制で(400万円~)500万円の費用がかかります
まず、その時間と費用が出せるかどうかです

3年で500万って結構厳しいハードルですよね。
その分の貯金が減ります。
その500万円ってほかに使えば有意義かもしれませんので・・・。

しかも通学する必要があります
子供の面倒をみてくれる親御さんなどのバックアップは必須でしょう。
試験などもありますから、試験勉強も自分の時間を使ってしていく必要もあります。
最近は国家試験も難易度が上がっているようですから、自主トレ時間は増える傾向かと思われます。

勤務で鍼灸師は食べていきづらい

学費をやりくりできても、それを卒業後に回収していくのは大変です。
鍼灸師の給料は安いので手取りで20万~25万円くらい
また年齢的にも30代後半になっていると就職先も少ないはずです
(※年齢関係なく「鍼灸」を学べる就職先はさらに少ないです。)

現実的な就職先は、整骨院が一番多いはずです。
保険施術メインの整骨院ですと、どうしても機械操作+簡単なマッサージなどの業務になると思います(時々鍼灸があるかも)。
保険からの脱却を試みている整骨院ですと、メインの仕事として自費整体メニューを担うことになるかもしれません。
たとえば「骨盤矯正」とか。
整骨院業界は様変わりの過渡期だとも考えられますので、意外とどこに勤めるかが今後の分かれ道になるかもしれませんね。
こういう自費メインの職場での経験は、のちに自分が開業するときに役立つかもしれませんので・・・。

最近、鍼灸業界で人を雇う体力があるジャンルは「美容鍼灸」です。
美容・エステに関心がある人なら、その関心を鍼灸に乗せて「勤務鍼灸師」として生きていくことが可能です
今一番定年まで勤め上げられそうな雇用体制を持っている気がします(勝手な印象です)。
もしくは将来的な独立を視野にそういったところで修行するのも、働いている間の雇用体制が整っているところが多そうな印象ですので、良いかもしれません。
当たり前ですが、美容に関心のない人には、同じ鍼灸とは言え、厳しい職場だと思いますので避けたほうが良いでしょう。

また、マッサージ資格もあるなら訪問マッサージ系が年齢も融通がきくでしょう
またガツガツ働けばそれなりの収入になることも期待できます。
現状で、勤務で有望なのは訪問マッサージです(鍼灸の勉強にはなりませんが・・・)。

開業にお金がかかる

鍼灸師の良いところは開業権があるところ。
それを生かして開業しようとすると、次に待ち受けるのは開業費用
必要な費用はピンきりですが、私は200万円から300万円くらいかかりました。
まぁ一般的にみて400万円くらいあれば(質素ながら)必要十分な院ができると思います
でも、学費+開業費ですから、結構な出費ですよね・・・。

開業しても大しては稼げない

開業すればうまくいく・・・ワケではありません。
当たり前ですが、生活できず廃業もありえます。

鍼灸院はさほど稼げる職種ではないです。これは事実。
平均的な収入データはありませんが、手取り年収250~350万円(月収20~30万円)と思っておけば無難です
そのくらいなら普通に努力すれば可能でしょう。
(ちなみに日本人の40代平均年収は500万円(手取りベースで400万円)ほどです。)
質素に暮らせば何とか暮らしていけるかな、という感じです。

鍼灸師をおススメする点

次はメリットです。

仕事が興味深い

鍼とお灸というシンプルな道具で、いろいろなカラダの悩みを解決できるのですから、面白くないわけありません。
とても興味深い仕事です

また、単純でありながら奥が深いのも尽きせぬ興味関心を引きます。
脈をみて、舌をみて、腹をみる。
指でツボを探り、感触や感覚で「ココ」という場所を決め、施術する。

その原理原則は、2000年以上の歴史を有する経験哲学に裏打ちされています。
そんな歴史や哲学を学ぶのも面白いです。
東洋哲学を学ぶことは鍼灸師でなくても可能ですが、それを生業としても活かせるのは鍼灸師です。
生き方としても興味深く、仕事内容としても興味深く、しかも収入源にもなる、というのが鍼灸の最大の魅力です。

鍼灸院の時の流れが心地よい

現代は諸々忙しい時代です。
そんな中にあって、鍼灸院に流れる時間はわりとゆるやかです
鍼灸施術は(流派によっても違いますが)おおむね30~60分をかけて一人の患者さんに相対します。
自費施術が多いので、予約制で、その人にしっかり向き合えます。
カウンセリングでもあり、癒しでもあり、施術でもある、そんな時間の中に自分自身が生きられます。

自営業は自由業

開業すれば自己責任の自由業です。
この自由さはめちゃくちゃ素晴らしいメリットです。
先ほども書いたように、鍼灸院の仕事は、さほど儲からない=ヒマです。
貧乏ヒマなし、ではありません。
貧乏ヒマあり、です。
経営不振すぎて廃業してはいけませんが、「時間がある」って素晴らしいことじゃないですか!?

もともとがゆったりしていますがさらに、時間があるというのは「コントロールがきく」という意味でもあります。
この日は「子供の用事で13時から16時までは空けたい」というなら予約を取らなければいいだけです。
この日は「臨時の休みにしたい」というなら、あらかじめ臨時休業日にしておけば良いだけです。

小売店のようにいつ誰が来るか分からない業態ではないので、予約さえなければ治療院にいなくても大丈夫です。
自宅に戻って家事していても何の問題もなし。
電話も転送サービスがありますので、自分のスマホに転送させれば家で院の予約を受けられます(ネット予約の対応もスマホでOK)。

会社に勤務している人にはない自由度があります。

定年がない

いま、サラリーマンでは定年後の再就職が大変という時代です。
年齢的に再雇用されづらいという意味もありますが、メンタル的にも時間を積み重ねてきて出世したあとに今度は年下上司のもとに再配置される悲哀もあります。しかも給与も低下ですし。
一方、鍼灸は長く続けられる仕事です。
開業していれば定年もありませんので、70歳・80歳まで現役でいけます
(マッサージは体力的にもきついかもしれませんが、)鍼灸なら体力面でも肉体労働という風でもありません。

時代の変化を受けにくい

また、昨今はITの進化で仕事の仕方も日進月歩です。
PCを使えない中高年は仕事でも使えない・・というのが一時期ありましたが、機器の進化とともに今までのキャリアが無効化されてしまう現象が起こっています。
一方、鍼灸師は積み上げてきたものが生きます。
キャリア10年より、30年、50年の方が当然、経験値がたまる分、腕も上がると考えます。
(手技という面では肉体的・年齢的なピークはどこかにあるとも考えられますが。)
手技や流派には若干のはやり廃りはありますが、鍼灸は廃れるものではありません。
次世代にも残る職業でしょう。

開業するやめるもわりと簡単

開業に費用がかかる話を書きましたが、そうは言っても400万程度です。
ちょっと良い車一台分の費用で、自分の城が持てるのですから高くはないです
飲食店などはすぐに1000万くらいはいきますから、鍼灸院のハードルは低いですよね。
出張専門ならすぐにでも始められますし(笑)

営業不振からの廃業となっても、さほどダメージを負わずに止められます。
その後に返済可能な借り入れ額ですむのではないでしょうか!?
(そういう意味もあって「費用を抑えた開業がおススメ」と言っています)

まとめ

最初に書いたとおり、鍼灸師を目指す是非はその人の持つリソース次第です。
リソースには資金や援助などもありますが、自分の性質もあります。

鍼灸師を目指すかどうかは、鍼灸師という仕事への親和性が一番重要でしょう
医療系という領域・東洋医学という哲学・鍼灸という技術・独立開業(自営業)というスタイル、が自分に合っていると思えたらそれは選択肢になります

・現代医学的な考え方に共感できる。
・働くなら雇用されるスタイルが良い。
・就職先が多いほうが良い。
・給料もそこそこ欲しい。
・同僚と協力し合う仕事がしたい。
・・・このような要望があれば、医療業界でも「看護師」「理学療法士」「作業療法士」などが良いかもしれません。

あとは費用と時間です。
学費は100%自腹だと500万円くらいかかりますが、『高等職業訓練促進給付金』などを活用できれば安く通うことができるので、まずは自分が該当するかリサーチしてみてください
そして時間ですが、これが確保できないと通学は難しいですね。
昼間や夜間など、レパートリーはいくつかありますのでチェックしてみてほしいです。

医療業界で、看護師でなく鍼灸師を意識する人は、(良くも悪くも)「変わった人」かもしれません。もしくは「自由な人」。
だから、他人がどうこう言おうと自分の道は自分で選ぶ派なのかもしれません。
そういう人は、どうぞ突き進んでほしいです。
そういうパッションに裏打ちされた行動は間違ってはいない気がします

ただし、いろいろな選択肢を考慮してみたうえで、選択したほうがより選んだ道が揺るがないものになるでしょう。
ですので、さまざまな意見やアドバイスを参考に、ご自身の道を選んでください。

私としては「鍼灸師はやりがいがあって楽しいですよ」とお伝えしたい(笑)



プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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鍼灸院経営とひとり親生活のハナシ

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