鍼灸師の苦労・大変な事

鍼灸師を目指す人
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鍼灸師って大変ですというハナシ

鍼灸師ってステキなんだよ、というハナシを書きました。

鍼灸師の魅力とやりがい
ネット上では「鍼灸師はダメだ」(仕事としては終わっている)という意見を少なからず見受けます。 私もいち鍼灸師ですので、たしかに一理あると感じる部分もあります。 でもそれでも、同業者からそういった意見が出てしまうのは悲しい事です。 そこで、今回は鍼灸師の魅力や遣り甲斐を考えてみます。

今度は逆に「大変なこともあるよ」というハナシを書きます。
やはり両方知っておいた方がいいので…。

学費400万と3年の時間

鍼灸師(はり師きゅう師)は国家資格です。
鍼灸学校を卒業して国家試験に受からないと資格が取れません。
高卒からOKですので最年少で18歳から3年間です。
高卒後の進路としてならまだいいでしょうが、30代40代から目指すとなると負担も大きくなります。
実際に鍼灸ができるようになるのにハードルがあるってことです。

鍼灸ができる就職先がない

免許を取った後にすぐ開業するよりは、まずは修行したいですよね。
自動車の運転免許を取っていきなり運送業を始めるのではなく、就職し技術を習得したいのと同じです。

ただし、ここで問題。
鍼灸ができる就職先が少ないってことです。
鍼灸専門院で人を雇えるパワーがあるところが少ないので、卒業する鍼灸師の多くは「鍼灸なしの職場」か「鍼灸も少しできる職場」に多くが就職することになります。
このようにどうやって技術力を高めるかのハードルがあります

とりあえず治療院業界のどこかに就職したとして、これまた大変なのはブラック企業が少なくないことです。
雇われ院長まで上り詰めなければノルマがどうこう言われることは少ないと思いますが、薄給+長時間勤務がよくある話。
鍼灸したいけど鍼灸できず、なおかつ長時間拘束されて給与は低いというなかなかのハードルです。

年収が低い

鍼灸専門は就職もままならないくらいの業界ですから、就職できても給与は少ないです。
これ現実。
では開業しさえすればおカネ事情が好転するかといえば、そんなこともない。
開業して売上を高く取れる人はごく少数で、多くの開業鍼灸師は低い年収で院を運営しています。
これも現実。
鍼灸という仕事自体は素晴らしくても、食べていけないハードルがあるってことです。

社会的に認知が低い

給与が少ない理由でもありますが、鍼灸を受ける患者さんが少ないです。
理由は「社会的認知が低い」からです。
鍼灸なんて知らないよという人ばかりってこと。
鍼灸業界に足を踏み込んでしまうと周りは鍼灸関係者だらけだから気付きづらいですが、それは現実としてあります。

社会的認知が低い理由ですが、これは「価値」を伝えられていないことです。

「鍼灸そのものの価値」は高いです。これはもう確実に高いです。
鍼灸の持つチカラは十分誇れるものです。
最近では現代科学的な解明も進んで、施術効果を確かめる比較試験も多く行われ、エビデンスが蓄えられてきています。
それは他の整体などの手技療法にはないハッキリした成果です。

しかし、鍼灸自身の価値が、社会的に浸透し、頼られる存在にまで至っているのかと言えば「No」です。
社会的価値がほとんどない、のです。
鍼灸師としては歯がゆいのですが、これもまた現実。
社会的に知られていないハードルがあります。

セルフイメージが低い

結局、鍼灸業界全体に漂うのは「自分たちの仕事へのイケてない空気」です。
セルフイメージが低いんですよね。
鍼灸そのものには自信がある人は少なくないと感じますが、鍼灸師という仕事へのセルフイメージは低いです。
学校時代の友人と会えば「パッとしないよね」というハナシばかり…など、業界にいることでしだいしだいにモチベーションが下がってしまうという事態が起きます。
業界の空気感も見えないハードルになっている気がします。

潰れそうで潰れないのでぬるい

じゃあいっそのこと、ダメな鍼灸師は鍼灸では食べていけなくなって退場となり、優秀な人だけが少数精鋭で生き残る業界になればスッキリしていいのではないか、とも考えます。
もしくは自然とそうなるのではないか、と。

そこがまた違うのです。
鍼灸院という業態は「意外と潰れづらい」のです。
売上が乏しいとしても、経費もほとんどかからないので、結果何とか生活できるくらいの所得にはなります。
簡単に始められ・在庫がなく・経費がかからず・現金商売であるという、「商売」としては重要な要素を兼ね備えている業態です。
なので潰れないので、何となく生き残れてしまいます

これがよいのかどうか?
中の人である自分にとっては良い事です(笑)

ただし業界としては弱肉強食の生存競争などという厳しさはありません。
ぬるい感じです。

それが鍼灸が発展しない一因でもある気がします。
(※ただし繰り返しますが、そういう緩さを業界人である自分は気に入っています)

まとめ

鍼灸師が大変なのは、「鍼灸という仕事の内容」ではなく「鍼灸師でいること」です
技術的なことで悩みが尽きないとか、なかなか治せないとか、そういう真っ当な大変さもあります。
…が、それで悩めるのって幸せなことです。
鍼灸師として仕事の内容で悩めるのは幸せなことなので、苦労ではないです。

それよりも学費が高い、就職先がない、患者さんが来ない、友達がみな食うや食わずやである、などの方が苦労です。

鍼灸師がダメという風潮は「全てをひっくるめてダメ」のように感じますが違います。

鍼灸の良さ・素晴らしさはたしかにあるのだと理解しましょう。
さらに、鍼灸師としてモチベーションを高く持ち、生き残っていく方法論は別問題であると知る必要があります。
これがごっちゃになると、同じ鍼灸師同士で話していても会話が通じなくなります。

鍼灸を楽しむ工夫、暮らしていく工夫、経営する工夫、色々とトライしていきたいですね。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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