ラク過ぎる鍼灸院だと人は廃れるので注意

鍼灸師・鍼灸学生
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人は自由の中で迷う

自由に何でもやっていいのだ!

…これがひとり鍼灸院の院長の最大のメリットです。
この「自由」が、人を羽ばたかせる場合と堕落させる場合があります。

何にしてもバランスとコントロールが重要です。
そんな話を書きます。

自営業は自由が最大のメリット

私は文系の大学を卒業後にサラリーマンをしてから鍼灸師に転身しました。
鍼灸学校卒業後は鍼灸専門院に就職し、「自分で鍼灸院がしたい!」と開業しました。

そのころのことは別に書きました。

鍼灸院開業体験談1【開業へ】
私が鍼灸院を開業した実録物語。 開業に必要な手続きなどのハウトゥではなく、リアルな体験談。 まずは開業前の模様や脳内ストーリーからスタートです。

会社員時代の先輩に、地方に転勤になったことで離婚に発展した夫婦がいました。
奥様は地元を離れたくなったのに…、ということだったようです。
家を買ったら転勤になる、などと言うのもよく聞く話です。

鍼灸院を自営でしている今は、自分で何でも決められるのは幸せだ、と感じます。
圧倒的「自由」です。
もちろん自己責任の上に立つ自由なので、上手くいかない時の不利益も受け止める必要はありますが、それでも他人から強制されないのはとても幸せなことです。

自由の落とし穴

一方、自由には落とし穴があります。
自由とはストレスがなくなる事を意味します。

ストレスがなくなるなんて最高じゃん!と思われるかもしれません。
しかしストレスが減ることで起こるマイナス面があります。

【ストレスを減らすと起こる事】
・生活の廃頽

・公私混同の深化
・感情の消失
・新しい発見の喪失

以下に解説していきます。

生活の廃頽

一人で鍼灸院をしていると基本的にはやりたくないことをやらなくなる傾向があります。
掃除が嫌いなら掃除の回数が減る。
洗濯が嫌いなら洗濯の回数が減る。
電話が嫌いなら電話に出たがらない。
時間管理が苦手だと時間にルーズになる。

仕事でこのようにストレスを排除しまくっていると、プライベートでの生活にも影響が出てきます。
今まで当たり前のように出来ていたことができなくなります。
食事・洗濯・掃除・風呂などの日常で、料理が億劫となりコンビニ食に走りがちになり、風呂も億劫に感じられ3日に1回程度しか入れなくなる、などが起こってきます。

ストレスを排除することで生活が退廃的になってしまいやすいのです。

公私混同の深化

個人事業主だとどうしても自分のお財布と鍼灸院のお財布が一緒になってしまいがちです。
レジからダイレクトに生活費をもっていく、なんてことも起こるでしょう。
一体いくらが仕事の経費でいくらが生活費なのかが不明瞭になりがちです。

また、営業時間が始まっていてもその時間に予約がないと分かれば二度寝をしたり、などもするでしょう。

プライベートの物と仕事の物がごちゃごちゃと置いてある治療院も時に見かけます。
雑多が居心地よい…感じになっていればいいのですが、たいていは怪しいカオスになっています。

他には、以前、施術を希望してとある鍼灸院にフラッと足を運んだ事がありました。
すると、そこの院長さんはなんとおやつを食べていました。
しかも待合室で…。
慌てて「ウチは予約制でこれから予約があるから治療はできない」と断られました。

感情の喪失

イヤな人はみない、イヤな電話は受けない、面倒な説明はしない、したいように施術する。
こんな生活をしていると、たしかにストレスはなく自分の気持ちに沿った生活ができます。
気に入らない患者さんに悪態をついても、評価は自分が受けるだけなので、仲間や組織の誰かに何か言われることもありません。

このように不快な感情を排除していく(=マイナスの感情を感じることがなくなる)と、逆に楽しいという感情も感じづらくなります。

感情の動きは、おそらく喜怒哀楽でセットというか、そういうプラスマイナスの揺れ動きの中で発露していくものなのでしょう。
だから、感情自体が揺れないような生活になると、必然プラス感情も体感しないようになると思われます。

新しい発見の喪失

これはさほど説明を要しないでしょうが、毎日同じ生活圏内で、同じ生活を繰り返す事が多くなりがちなので、結果的に「新しい出会い」がなくなります。

まとめ

まぁどのようなスタイルで仕事をしてもいいのですが、まずは仕事とプライベートという仕切りをハッキリ作った方が良い気がします

雇われてならオフィシャルの自分の役どころがはっきりしているし、周囲に他人の目があるし、仕事とプライベートのオンとオフが切り替わることも容易でしょう。
これがひとり院長としてずっと一人でいると結局、いつでもどこで「素の自分の視点」だけしか存在しなくなってしまうのです
結果、公私がカオス状態になってしまうのだと思います。

解決方法は、一人なんだけど複数の役職を持つ、といことです

仕事場に来たら経営者+従業員。
施術の時は鍼灸師。
仕事の会計は経理担当者として。
一旦オフになったら、そこからは素の自分でOK。

このようにいくつもの視点を持っていれば崩壊せずに済むかと考えます。

私の友人鍼灸師は「自分は一人だと寂しいしだらけちゃうので人を雇っている」と言っていました。
現実に彼は、何人も人を雇って繁盛治療院を切り盛りしています。
私は基本的に一人が好きなのでとてもマネしようとは思いませんが、堕落しないようなスタイル構築する意識が大事ですよね。

結局「その人次第」という毎度の結論ですが、自分がどういうタイプかを知るのはとてもとても大事でしょう。

規則正しいことが苦手な人は、完全に一人になるのはリスキーでしょう
放っておくと堕落傾向になるとわかっているなら、他人の目があるような環境に居続けることが結果的にはプラスでしょう。
それは何もずっと雇われ鍼灸師でいることを意味しません。

開業鍼灸師でも、定期的に他人のチェックが入るような仕組みを作っておけばいいのです
もしくは、チェックシートを作って、月曜はこれやって、火曜はこれやって、とこなしていくのもいいでしょう。
自宅兼治療院の場合でこのような状況になってしまうなら、やはり仕事場は外に作った方が良いですよね。

私も自分ではしっかりやれている気はしていますが、知らず知らずに緩みが出ているかもしれません。
気付かないのが一番怖いですね。

こんなことを書いたのを機にちょっと院での在り方を見直してみようと思います。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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鍼灸院経営とひとり親生活のハナシ

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