鍼灸院の閉院・廃業は本当に失敗か?

鍼灸院経営
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鍼灸院経営でいう失敗とは?

「鍼灸師は給料が低すぎる!」「資格取って損した!」「鍼灸専門院では食べていけない!」などと言う声をネットではよく目にします。

たしかに一理ある意見ですが、じつはこういう声は鍼灸業界に限らずどの業界にもあります。
「〇〇業界はムリゲーだ」と。

資格とは異なりますが経営に関して言うと、とくに飲食店経営が厳しい感じですね。

開業資金が高いんですよね、飲食店は。
運転資金も入れたら1000万円は平気でかかるイメージです。
そして日々、材料費や人件費など経費がかかります。
200万売り上げても150万経費で出ていく、みたいな感じ。
しかも競合はたくさんいます。

一方、鍼灸院は開業費は安く済みます(私も含め鍼灸師にとってみれば大金ですが…)。
経費もほとんど場所代と光熱費くらい。
基本的には一人でやるから人件費=自分の給料です。
競合は増えていますが、業態としては潰れづらいスタイルです。

そんな鍼灸院経営で恐ろしいのが、経営失敗=廃業(閉院)ですかね。

でも今回は、廃業したからってそれが失敗でもないのでは!?というハナシを書きます

鍼灸院廃業は恐怖である

仕事は人生の中でも大きな要素です。
とくに男性は「仕事」に自分の価値観を重ねている人も少なくないでしょうから、仕事の失敗=自分自身の失敗となりやすいです。
また実際に生活費に事欠くのも仕事失敗のデメリットでしょう。
そういったわけで、鍼灸院を潰すのは「ヤバい!」となるわけです。

もちろん私自身がそうです。
自分の院が潰れちゃ困る、「潰れないように何とか生き残らなきゃならん!」と思っています
正直、怖いですよね
3人子供もいますので日々の生活費は確実にかかりますし、教育費などまだまだお金がかかるようなことを世の中では盛んに喧伝してくれるわけです。

ただ自分の心を分析すると、これは不確かな未来に対する恐怖ですね。
起こるかどうかも分からない未来に対してビビっている状態で、不安感に対して不安を感じている状態です
ここをどうクリアしていくかが重要になります。

不安に対抗する3つの基本原則

デール・カーネギー『道は開ける』で、悩みや不安に対抗する方法を書いています。

そもそも「悩みの大半は、判断の根拠となる知識がないのにあえて判断しようとすることから生じる」と言っています。
ごもっともです。
今回の「閉院の怖れ」も不確かな未来への怖れでしかありません。
根拠のない、怖れに怖れている状態、です。

では、実際に苦境に陥った時にどうすればいいのでしょうか。
それについても対策を教えてくれています。

1.まず最悪の事態を想像する。
その苦境(と思われる事態)が進行したとして「最悪のケース」はどうなるか?を考えてみろ、と言っています。

鍼灸院のケースで言えば、経営難からの廃業というのが最悪のケース。
私だと、借金はありませんのでマイナスにはなりませんが、明日からの収入源を失います。
明日からの生活費をどうするか、食べていけるのか、将来的に暮らしていけるのか、の不安が強まりそうです。
敗北感や挫折を味わい、悲しい気持ち、惨めな気持ちになるでしょう。

2.最悪の事態を受け入れる覚悟を持つ。
その最悪のシナリオを受け入れる覚悟を持て、と言います。

鍼灸院が潰れ・収入が途絶え・精神的には惨めな気分になる、という未来を受け入れろと言うのです。
確実にそれが起こるから、そういう未来を自明のこととせよ、と。
これは「覚悟」の話ですね。

3.今できる自分なりの解決策を考え実践する。
最悪のシナリオを受け入れる覚悟を持ったら、「今」だからできることは何かを考えて、行動に落とし込め、と言ってます。
ここは「行動」の話です。

鍼灸院の経営難の理由と言えば、「新規不足」「リピート不足」のふたつしかないわけです。
今できる、新規アップとリピートアップにつながる全ての施策を行え、ってことです
チラシを安く作って撒く、営業時間を長くする、ホームページを作り込む、今まで来た人に電話する・手紙を書く、SNSを始める、施術時間を長くする…などなど。
いろいろ考えられることをやってみます。

これらの流れが上手くかみ合えば、最悪のシナリオを回避できることも十分可能でしょう。
また、そもそも最悪のシナリオはすでに受け入れる予定だから、万が一に最悪のシナリオ通りに運んでもそこに悲痛はない(はず)。
少なくとも何らか行動することを通じて、今の不安や恐れは多少なりとも軽減するはずです。

意外と潰れづらいのが鍼灸院です

廃業するという最悪のシナリオをもう少し想像してみましょう。

売上で生活費と経費が賄いきれないから閉院になるのでしょう。
以前、最低限の月商は45万円と出しました。

鍼灸院の最低限必要な売上
鍼灸師は『自営業』についてはほとんど経験値がありません。 鍼灸学校でも自営業者のノウハウをほとんど教えません。 私自身がそうでした(涙) 鍼灸院に必要な売上について書きました。

月商45万円を5千円の施術費で稼ぐには、週6営業で平均1日4人施術です。
1日4人の施術と言えば、よほどでない限り、まぁまぁヒマです。

それで生き残っていけるのですから、閉院するとなるともっと数字が悪いわけです。
(経費11万円ほどと想定し)月商で20万円程度だと、継続するのは難しいかもしれません。
ちなみに、この月商20万円は、1日平均2人施術です。
週6日間毎日0~4人程度の施術をする、ってかなりヒマでしょう。
この圧倒的な自由時間に副業するなどすれば、トータル収入としてやっていけないこともないはずです。

また、固定経費が少ないのが鍼灸院の良いところです。
月商20万とかの潰れちゃうそうな売上に陥ったらすぐ閉院、ということはないはずです。
少なくとも数ヶ月の猶予はあるはずです。
その数ヶ月間で本業の売上を上向かせることができれば、まだ継続可能です。
ヒマな時間を使って、本業に役立つ全てで行動・行動・行動!です。
先ほどのD・カーネギーの苦境に対する公式に則って行動すれば克服可能と考えます。

しかしそれでも回復不能で、閉院するとします。
おそらくこの場合は、本業(鍼灸)+副業で細々やるくらいなら、いっそのこと転職して違う本業を持った方がよい(しかも正社員で…などの希望もあるかもしれませんね)、という判断でしょう。
鍼灸ではない仕事へシフト、ですね

これはもう、本当にあり、です。
価値観ですから。

自分らしく幸せになろう!

仕事という要素の中で、何に価値を置くかは人それぞれです。
「正社員(社保/厚生年金/有給休暇/残業代など福利厚生のある働き方)」「チームを率いるのではなく一員であること」「経営を考えないこと」など、この辺に価値を感じる人もいるでしょう。
(このメリットの反対は、会社の倒産・リストラ・不本意な仕事などです。)

正社員的価値観の人は「ひとり開業鍼灸師」という在り方を求めること自体に無理があります
方向転換して正解です。
ある程度希望通りの就職先をみつけられたと仮定すれば、鍼灸院をやめたからこそ幸せ度が高まったとも考えられます。
こうなったらもう「廃業してよかったじゃん!」ということです。

鍼灸師の資格を取ったからどうしても鍼灸使わなければいけない訳ではありません。
「損切り」じゃないですが、今から未来へ向けてのプラスを考えたいです。
それが「鍼灸師」じゃなくてもいいじゃないですか。
その為の転身は失敗や挫折ではなく、正解への転向です。

もちろん鍼灸院をやっていくつもりなら、自分ならではの幸せのために鍼灸を生業にしたいものです。
生業を成り立たせるためには、経営努力も必要でしょう。
その為の努力はイヤな努力ではないはずです。

常に方向転換できる自由も胸に抱きつつ、お互いに頑張っていきましょう!

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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