差別化された鍼灸院を作る

鍼灸院経営
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鍼灸院で差別化できるもの・した方がよいもの

商売において「差別化は重要」とよく言われます。
鍼灸院経営も一種の商売ですから「差別化」を意識しないと、競合との荒波のなかで埋没・沈没してしまいます。

では何で差別化したらよいでしょうか。

まず最初にお伝えしたいのは「腕(施術)は差別化になりません」
腕はあって当たり前、というか、周囲と比べて圧倒的な優位性を出せない(出しづらい)と考えます。
技術でない部分で差別化をする必要があります。

具体的に言えば、
・独自の雰囲気
・説明をしっかり
・安さに走らない
・専門性を持つ
・証明する
…などでしょうか。
以下それぞれを説明していきます。

ただし、それぞれのパーツだけ切り取るとおかしなことになってしまいますので、最終的には「総合的な演出」が必要になることをお伝えします。

ウデ(施術)の差は考えない

「自分の鍼灸院とよその鍼灸院の違いは何か?」
「どうして患者さんは自分の院を選んでくれるのか?」

この問いへの答えが「差別化」「自院のウリ」ということになります。

そのウリが「(周囲の院より)腕が良いから」と答えたくなる気持ちもわかりますが、ちょっと待ちましょう。
本当にそうでしょうか?

(私はともかく)あなたの腕は確かに周囲の鍼灸院より上かもしれません。
勉強もたくさんされて、技術もしっかり磨いて、経験もみっちり積んで今に至っているあなたの施術技術は高いでしょう。
だからそれ(技術の高さ)が「ウリ」になると考えるのももっともです。

でも、それは誰から見ての差でしょうか?
おそらくそれは同じ鍼灸師仲間から見ての「腕の差」ではないでしょうか?

患者さんから見たときに、あなたの院と周囲の院の腕の差がはっきり認知できるものでしょうか?

慢性腰痛がスバン!と1回で改善してしまうならわかりやすいですが、おそらく慢性疾患はある程度時間がかかるものでしょう。
また西洋医学的に難しい病気とされているものは、やはり東洋医学でも難しいのではないでしょうか。
周辺と比べて明らかに違いを出せるほどにあなたの鍼灸施術は際立っているでしょうか?

ようするに、施術は皆が研鑽しているので、結果的にそこまでの優劣は生じない、と考えるわけです。
とくに素人である患者さん目線では、そこまで際立った違いを出せないでしょうから、腕だけで差別化することはとても難しいです
…つまり、腕だけの差別化は考えない方がよいです。
※もちろん、ご自身が達人的な鍼灸師であれば差別化として十分機能します。

独自の雰囲気づくり

一方、差別化できる要素として考えられるのが「雰囲気」です。
内外装が「よくある治療院」で、どうして他所と差別化できましょう
「他所もあなたの院も同じじゃん」となってしまいます。

まずは自分の院のコンセプトに沿って雰囲気も作っていく必要があります。

中医学を施術のコアに据えていたら、中国風を前面に出す演出もいいでしょう。
内外装や調度品も中国風になっていたら、雰囲気が出ますよね。
中華料理店風になってしまうと逆効果かもしれませんが…(苦笑)

または、施術費用がそれなりに高いようであれば、それに見合う高級感を出した方がいいでしょう。

あくまでご自分のコンセプトに見合った雰囲気づくりをするのが大事です。

私はお金をかけた内外装を作れませんでしたが、「にぎやか感」や「ひと気」を出すようにしています
時々他所の院で、良く言えば「こざっぱり」・悪く言えば「寂しい」印象の院を見かけます。
究極に「清潔感」を追求した結果ならいいのですが、単にさみしいだけ、になっているのはもったいないと思います。

私は自分の院で患者さんには、温かみや安心感を感じてほしいと考えています。

説明はしっかり

どんなに美味しい料理でも黙って出されたら、その美味しさの「ワケ」は分かりません。
違いの分かる美食家にはわかるでしょうが、その他大勢の一般人にはわかりません。
どうして美味しいかの「ワケ」がわかった方が美味しく感じることができますし、満足感も高まります。

施術も同じです。
今から「何をするか」「何故するか」をきちんと説明したり、同意を得たりすることは重要です

施術の価値をしっかり伝えることで、自分の持っている腕をよりしっかりと認識してもらえます。
これは腕に自信がある人でも(自信があるからこそ)、やった方がよいと考えます。

もちろん、ご自身のコンセプトが「黙って座ればピタリと治る」を掲げていれば「余計なことは言わない演出」の方が良いでしょう。
なかなか一般の患者さんの理解を得るのは難しそうにも感じますが、あくまで決めるのはご自身です。

安さに走らない

料金を差別化すると言うと「格安」をイメージしますが、安さに走るとひとり鍼灸院は終わります
通常、他より安いというのは確かに「ウリ」になりますが、これは薄利多売ができる業態だからこそ。
1人で・自費で・鍼灸を行う業態の一人治療院の場合は「価格は高め」もしくは「周囲と同等」になります。
価格は「差別化してはいけない項目」です。

専門性を持つ

通常、鍼灸院にとって一番の「ウリ」になるのはこの「専門性」でしょう、

何でもできる鍼灸師が憧れの目で見られるのは、同業者からだけです。
患者さんには「何ができるのかわからない鍼灸師」と映ります。

ですので、専門を絞ることが差別化にとっては重要と考えます

ただし、自分がしたいことを専門にすることが専門性を持つことではありません。
需要がある+専門性を持つ、ってことです。
高齢者ばかりのエリアで「不妊鍼灸」はうまくないですからね。

そうするとそもそも立地とも関連することですね。
しかしすでに鍼灸院を開設していると移転も難しいでしょうから、今いる土地の需要から自分の専門性を絞っていくことが重要です。
自分目線ではなく、患者さん目線で、何を専門にすべきかを決めていくといいです。

専門性を大いにアピールしないといけません。
「○○○が得意な鍼灸院です」とアピールしないと、知ってもらません。
それが差別化です。

証明する

どんなに声高に「○○○が得意ですよ!」「○○○がウリですよ!」といっても、それを証明しなければ信じてもらえません
「専門の学会員になって研鑽を積む」「書籍を出す」「実績を出す」などによって、他の院ではなく自分の院を選ぶ価値があることをアピールします。
患者さんの声、専門家からの推薦の声、専門的資格の所有、症例発表…、方法はいろいろあるかと思います。
証明の厚みこそが信じてもらうために必須です。

まとめ

差別化は特別な一つの要素で出来ているわけではありません。
めちゃくちゃ飛び抜けていれば、たった一つの要素だけで差別化できるでしょうが、通常はそんな究極の切り札を持っている人はいません。

ですので、総合力、になります。
しっかり雰囲気作りした院で、ある特定の専門ジャンルに悩む人向けに、その人が納得する証明をしたうえで、価格に見合った技術と説明を用いて改善に導く鍼灸院を作ります

これができると、探されやすく・選ばれやすく・満足してもらえやすく・生き残っていきやすい院ができます。
それが差別化です。
自分のコンセプトを明確にして、それに沿って上記のことを作りこめば、きっと差別化できます。

もちろん一朝一夕にはいかないし、一回作れば終わりではなく、時間の経過とともに修正を続ける必要もあるでしょう。
より強いライバルが出てきたら、それを上回る仕掛けが必要になります。
今は治療院業界もどんどん進化していますし、ツールの流行り廃りも変化が激しいです。
それに合わせていかないといけません。
大変ですが、頑張っていきましょうね。
お互いに。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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