【早まるな】鍼灸院開業を考えた時にすべきこと

開業について
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すべきことは山ほどあるが一番重要なこと

一番重要なのは「アタマに汗をかく」ということ。
これを言い換えれば「経営の仕組みを構築すること」と言えます。

実際の開業作業の多くは「カラダに汗をかく」作業が多いです。
業者に相見積もりを取る・相談する・見に行く・買ったモノを組み立てる・支払いに行く・あちこちに足を運ぶ…など。

考える作業より動く作業の方が多く、何かしている(しかもそこそこ忙しい)ので、楽しいし充実した気分になるけど、結果的に頭は働せていません。
構想も計画もないまま、なんとなく家を建てているのと同じです。
体を動かしているし、何かしらの形は出来上がっていくから満足かもしれませんが、そこには何も込められていない訳です。

そして当然、実際に院運営がスタートしてもそうそう上手くスタートするはずはありません。
…で、もっと前から「アタマを使わなければいけなかった」のだと気づくのです。
(まさに私自身の体験でもあります(涙))

治療院の仕事(自営業的な意味での)とは、おカネが円滑に回ることです。
ひと月のうちに売上が上がり、経費を支払うことができ、自分の生活費も稼げて、そして翌月もまた治療院が運営できる流れです。
おカネが円滑に回るの別の意味は、「一人でも多くの患者さんに気付いてもらって、選んでもらって、来てもらって、満足してもらって、また通ってもらう」流れがあるかどうかです
それは自然とは生まれません。
人工的に仕組を作るのです
この仕組みが無い状態で開業しても、誰も来ません。

店を開けば人は来る…なんてことはありません。
※天然に能力の高い人なら自然と上手くいく可能性はありますが、一般論では“勝手に”上手くいくことはありません。

だから、最初の最初のまだ開業する前に、心を砕いて集中して、仕組み構想に取り組むことが重要になります。

ちなみに最近は開業したくない鍼灸師も増えているようですが、現実的に考えると鍼灸師としての道は「開業」に行きつくでしょう。
そして実際に多くの人が開業します。
業界は今、結果的に競合が増えて大変なことになっています(笑)

地域に鍼灸院を開くことは、そう言った競合との勝負でもあります。
あくまで地域での相対的な比較のなかで選ばれるからです。
逆に言えば、選ばれなかったらどんなに良い治療をしていても廃業はまぬがれません。

今回は開業を考えた際の段取りを説明してみます。

状況設定としては「開業するつもりだが、そもそも何から手をつけてよいのかさっぱり分からない」人を対象にしています
テナントを借りて「ひとり鍼灸院」を営むことを想定しています。
あまりお金はかけない開業を希望(資金が乏しいため)。
あくまでこれは私個人の試案ですので、参考にしていただき、最終的には皆さんのオリジナルで勝負してください。

開業までは6ヶ月は欲しい

まず「来月いきなり開業!」とかは止めましょう。
先ほども言った「構想する時間」が必要です。
物件探しにも時間をかけたい。

まずは最低6ヶ月前から準備開始です。
コンセプトを固めることと物件の目利きが最重要事項です。
また物件選びには1年かけた、2年かけたなどという人も聞きますので、準備期間は長いに越したことはありません。

開業までのタイムスケジュール

6ヵ月前から3ヶ月前
・自分の希望や目標の確定
・経営コンセプトを固める
・物件探す(数多くの物件をみる)
・必要な備品のリストアップ
・開業にまつわる経費の見積もり
2ヶ月前
・物件契約~内装外装工事業者選定
・保健所に事前相談
・備品の選定
・ホームページ作成~開業予定ver.アップ
2~1ヶ月前
・内装、外装の工事
・備品購入
・随時ホームページ拡充(露出アップ)
開業直前/直後
・各種届出(保健所、税務署、役所など)

以下にトピックになる部分を解説します。

自分の希望や目標を決める

自分自身がどうなりたいか?何が理想か?を考えることです。
しかも出来るだけ「具体的に」決めたいです。
なんとなく「しっかり稼いで良い暮らしがしたい~」のようなアバウトな理想ではダメってこと。

そして、その理想のカタチを求めるのはなぜか?にも心を砕きたい。
理由が心の底から湧いてくるようなものだと、そこにパワーが生まれます。

熱い思いに裏打ちされた具体的な目標ならそこに向かうモチベーションは高く維持できますし、どういうステップを踏めばそこに到達できるかも明確にしやすいです。
より具体的な方法が見えてくるわけです。

もし、理想のカタチや目標のようなものがよくわからないなら、逆に「したくなこと・なりたくない姿」を考えてみてください
そうならないように何をするか、が見えてきます。

経営コンセプトを固める

実際の鍼灸院の「在り方」がコンセプトになります。

ズバリ、「誰」に「どういう良い結果」を与えられるか?、です。

「誰」というのは、男女・世代(赤ちゃん・子供・高齢者…)・スポーツ・芸術・疾患別、等いろいろな切り口が考えられます。

どういう人と一番つき合っていきたいか、を明確にした鍼灸院の方が、「その人」には響きやすいです。
なにせ現在は、鍼灸院はじめ過剰なくらい治療院があり、皆がそれぞれ患者さん向けに声かけしている状況です。
そんな中で自分の院に振り向いてもらうためには「ウチはあなたにこそ役に立てます!」とピンポイントで声かけしないと響きません。
どういう人とつき合いたいかがわからなければ、少なくとも「どういう人とつき合いたくないか」は明確にしておきましょう。

また、どういう良い結果を与えられるか?も明確に
あなたに声かけたのは、自分の院ではこういう良い結果が出せるからですよ、と言わなければいけません。
それを明確にしておきましょう。

たとえば、プロも目指すくらい野球一筋だった院長は野球に関する悩みに精通しています。
なので、「野球のケガやトレーニングに悩むプレーヤー」に「野球特有のケガの早期回復と、そもそもケガしづらい日々のメンテナンス方法をご指導できます」。
…という感じ。

そして、その「あなただからこそ役立てるんですよ」と言った「証拠」を提示することが重要です。
具体的な証拠であれば、あるだけいいですよね。
なるほど確かにあなたに任せたら、良い結果になりそうだ、と思える証拠や期待できそうな理由です。

例えば先ほどの例で続ければ、(野球で)ケガしやすいフォームとその改善法みたいな動画をたくさん撮ってYoutubeにアップする、なども野球に詳しい院長の証拠になります。
もしくは、プロ野球選手が通っている「声」なんかもいいかもしれません。
…という感じ。

このコンセプトが非常に重要になるので、ここに頭を使ってほしいです。

保健所に事前相談

保健所は、鍼灸院の開設届をだす場所です。
届けが法規に則っているかどうかをチェックされます。

でも、最終的な提出段階で「ダメ出し」されても、今更変更できないことってありますよね。
例えば間取りや院名。

そうならないように、事前に確認に伺うことが重要です。
物件を決めて、自分なりの間取りを決めて、院名も大体決めたら、まずは一度、保健所に足を運ぶと良いです
細かい基準の可否は保健所で全国一律ではなく、最終的には担当者ベースで随分と解釈が異なりますので、事前相談は絶対してください。

オンラインでの宣伝

オンラインで重要なのは、「ホームページ」「マイビジネス」「ポータルサイト」です
それぞれ詳しく話し出すときりがないので、ここではその3つに力入れて欲しいことだけ伝えます。

とくに、ホームページは開業日=営業開始日より前に公開した方が良いです。
物件(住所)が決まり、院名が決まったら、簡易版でよいでのなるべく早めにアップします。
もちろん最初から「独自ドメイン」で始めることをお勧めします。
HPを自作するのは大変なので、業者に外注することになる人も多いでしょう。
HP作成費用はピンキリですが、個人的な目安としては、初期費用10万円まで・月々の管理費1万円まで、です。
その後のメンテナンス(ページを増やしたり、ページの文言変更など)は基本的には自分で出来るようなサービスの業者を選びたいです。
ちなみに、写真はできれば外注でキレイな写真を撮ってほしいです。

まとめ

開業のために必要な要素はまだまだ本当に多いです。
たとえば、

  • 院の名前
  • 開業資金と融資関連
  • 税務署関連(開業時の届け出や確定申告)
  • 不動産屋や内装外装工事会社の選別や契約
  • ホームページ以外のオンライン
  • 看板・チラシなどオフライン

…など。

でも、これは自分の目標や院のコンセプトがあって初めて考え出せるものなので、今回は基本の基本の部分に絞って解説しました。

さて、開業しようと思っている人にお伝えしたい最後の話。

私自身の体験談です。
「こんな風な治療院にしよう!」と漠然と考えた後は、だれにも相談せずに始めました。
そして実際に始まると全く鳴かず飛ばず…。
離陸はしたものの低空飛行の日々。何ならいつ落ちてもおかしくないような…。

本来こういう状況なので、鳴かず飛ばずな理由を見つけ、改善をしなきゃいけませんが、それが自分では分からないわけです。
自分としては、「これでやっていけるぜ!」と思っているので、何をどうしたらよくなるとか、気づけないのです。
これはようするに、見るべきものがあるのに見えていないということです。
自分では見えているつもりでも、それはとても狭い範囲でしかなく、本当はもっと広く見なくてはいけないのに見えていない。

でもそれは仕方ないとも言えます。
まだ、始めていないので、何を知ればいいのか、何を考えればいいのかをワイドな目で見られないわけです。
自分が知っている分野だけ、分かっている範囲だけでしか考えられないのです。
じつは想像以上に本当はもっと広く知っておかなければいけないのに、自分だけではその視野を広くさせられないのです。

では、どうしたらよいかと言えば、これはもう、相談しましょう!

・最適な相手:
自分の理想とするスタイルの鍼灸院を営んでいて、なおかつ経営的にうまくいっている人(で、話し易い人)
・タイミング:
開業を思い立った時・コンセプトや見積もりなどが固まってきた時・実際に開業した直後(or直前)の3回

当時の私が相談しなかったのは「なんか自信があったから」なんですよね。
もうね、これは根拠のない自信、ってやつで、大事なんだけど厄介なやつです。
なので、当時の自分が目の前にいたら言ってやりたい。
「絶対相談しておけ」って。

開業すること(開業日を迎えること)がゴールになってしまわないように、そこから始まる「経営」が長続きするように、最初の段階ではしっかりと頭に汗をかいてほしいです。
つぶれず生き残ることも重要と考えます。
お互いに頑張っていきましょうね!

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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鍼灸院経営とひとり親生活のハナシ

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