療養費の施術管理者になるには|鍼灸の保険2

鍼灸師・鍼灸学生

2020年9月に新しい記事を書きました
まずはこのページ記事を読んだあとに下リンクの記事もお読みください。

鍼灸保険の施術管理者の最新情報【2020年9月】
施術管理者とは 鍼灸マッサージにおける医療保険(正確には療養費)の不正請求対策として、指導監督する仕組みを導入することが考えられました。 そのために、療養費を請求できる鍼灸師を登録することになりました。 それが「施術管理者」です。 ...
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施術責任者とは

鍼灸の保険(療養費)は「償還払い」が原則です。(患者さんが一旦全額を治療院に支払い、のちに患者さん自らが保険者に差額を請求する方法。)
しかし、患者さんの負担を軽くするため「代理受領」の仕組みが使われることが多いです。
療養費の額で95%以上とも言われます。

この辺は以下の記事も参照ください。

療養費の受領委任制度について|鍼灸の保険1
2019年1月より受領委任制度が始まっています。 どのような制度なのかを解説します。 受領委任制度を導入している保険者に保険請求するなら「受領委任」を使わない手はありません。 まずは自分(鍼灸師)が「施術管理者」として登録手続きしましょう。

代理受領では、施術者を登録・管理する仕組みがなく、行政(地方厚生局等)による指導監督も行われません。
そこで、おもに不正請求対策として、鍼灸の保険(療養費)に「受領委任制度」を導入し、指導監督の仕組みを導入することが考えられました。

その制度の一環として、療養費を請求できる鍼灸師を登録することになりました。
それが「施術管理者」です。

登録先は、治療院のある地方厚生(支)局です。
東京都の鍼灸院なら関東信越厚生局(正確には東京事務所)です。

以下に登録方法などについて書いてみます。

施術責任者になるには

簡単に言えば、地方厚生局に申請・登録してもらえばいいわけです
一旦申請して登録されれば、更新などはないようです。

ただ、制度が始まって間もない(2019年1月スタート)ので、どうにも制度が流動的です。
2020年3月現在のところで、分かっていることを書きます。

詳細は以下の関東信越厚生局サイトをご参照ください。
あはき療養費に係る受領委任の取扱いのQ&A

2020年中に申請する場合

今年が一番シンプルです。
以下の書類を出すだけです。

【提出先】
鍼灸院を管轄する地方厚生局の都道府県事務所
【提出書類】
・確約書(様式第1号)
・療養費の受領委任の取扱いに係る申出(様式第2号)
・施術所開設届の写し
・免許証の写し
※上記の必要書類リストは「店舗型ひとり鍼灸院」を想定しています。

参考:申請書類のフォームなど(関東信越厚生局)

2022年以降に申請する場合

先ほどの必要書類に加え、新たに資格取得後の「実務経験」と「研修の受講」が加わります

2020年の必要書類に加え、
・実務経験期間証明書
・施術管理者研修修了証
…が必要になります。

詳細は『受領委任を取り扱う施術管理者の要件について』(令和2年3月4日)

実務経験とは

実務経験は、はりきゅう又はあん摩マッサージ指圧でそれぞれ1年間必要です。

ようは資格取って、鍼灸マッサージ院で1年間働けば「あはき1年経験した」となります。
つまり「鍼灸専門院で1年働いた場合」は、「マッサージ師」の実務経験はゼロなので「鍼灸師の資格だけ」受領委任に申請できます。

経験としてカウントされる施術所は保健所に開設届を出している院です。
また、自分の実務経験にカウントされるには保健所に「業務に従事する施術者」として届出されている必要があります。
※勤務鍼灸師なら院長先生に「自分のことを勤務鍼灸師として保健所に届け出てますか?」と聞いてみてください。

ちなみに、勤務形態(常勤、非常勤、パート、アルバイト等)や勤務時間は問われません

施術管理者研修とは

これは現状、まだ実際に行われたことはありませんのであくまで予定です。

登録研修機関が行う予定で、研修は「北海道、東北、関東信越、東海北陸、近畿、中国四国、九州ごと」に実施する予定。
16時間、2日間以上の講義による研修になるようです。

2021年の特例

今年(2020年)は鍼灸師の資格さえあれば申請できます。
実務経験と研修の満了が必要になるのは、再来年(2022年)以降です。

その中間の2021年中に申請する人は特例があります。
「実務経験と研修は最終的には必要だが、申請時点では基準を満たしていなくてもOK」です。

どういうことかと言えば、施術管理者の申請段階では実務経験も研修もなくてもよいが、「満了したことを証明する書類はあとで必ず出しますよ」という「誓約書」を代わりに提出します。

2020年の必要書類に加え、
・確約書(実務経験)
…遅くとも2年以内に「実務経験期間証明書」を提出する旨を確約した書類。
・確約書(施術管理者研修)
…1年以内に研修の課程を修了する旨を確約した書類。
・後日、それぞれ実際の証明書を提出します。

移行措置ですね、

参考:『受領委任を取り扱う施術管理者の要件の特例について』(令和2年3月4日)

まとめ

鍼灸師だから(無条件に)保険申請できる、という時代は終わりです
(※受領委任制度に乗っている保険者に対する保険申請は…ですが。)
鍼灸師で、実務経験があり、なおかつ研修を受けた人が、施術管理者になってから、保険申請ができる時代に突入します。

ただ、今年(2020年3月)に鍼灸師になった人も、今年中に開業して施術管理者を申請すれば書類のみで施術管理者にはなれます。
逆に、すでに資格を持っている人も来年以降に開業する人は、実務経験と研修が必要になります。
すでに開業している鍼灸師さんは、保険施術をしていなくても今年中に「施術管理者」になっておく方が良いでしょう
書類集めて送るだけですから、面倒かもしれませんがやる価値はあります。

来年以降になると実務経験はさておき、研修に行かなければいけません。
2日間の時間と、参加費用と会場まで交通費が、もったいないないと言えばもったいないです。
※全てが勉強と思えば、これもまた有益かもしれませんが…。

いろいろと制度が変わりつつありますね。
保険施術は、費用面で患者さんの為にもなるし、鍼灸院経営上も安定収入の土台にもなりえます。
なので、うまく活用したいところです。

ただし「医療保険」という、公の制度に乗るというのは縛りもあります。
保険一辺倒になると、急激な制度変更に対応できないこともあり得ますので、うまくやっていきたいですね。
ガンバりましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
めしたけ

首都圏のベッドタウンで鍼灸院をやっています。
鍼灸師キャリアは約20年。
短期の繁盛(=成功)よりも、安定継続(=失敗しない)を目指しています。
3人の子育て中のシングルファーザーでもあります。
開業・経営・生活全般など、あれこれ書きます。

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